ワカナ真珠、壱岐の養殖場視察

【2022年6月】

全てのワカナ真珠には、長崎県壱岐産の原産地証明書がついてきます。

 近年、商品のトレーサビリティ(その製品がいつ、どこで、だれによって作られたのかを明らかにすること)がますます重要になってきてます。

 ワカナ真珠をより知っていただくために、また安心して使っていただくために上村真珠さんの壱岐の養殖場にお邪魔して現地レポをしてきました!!

壱岐ってどんなところ?

  • [場所]
    長崎県壱岐市。博多港から船で1時間のところにある離島。

     [名物]
    壱岐といえば焼酎!麦焼酎発祥の地として有名。また、魚介類全般が美味しいところです。

     [歴史]
    弥生時代は、「一支国(いきこく)」として魏志倭人伝にも登場する重要なクニであり、外交の先進都市であった。現在は弥生時代の建物が復元された「原の辻遺跡」は観光スポットとなっている。江戸時代は、平戸藩の領地だった。明治時代になり、平戸県→長崎県となった。

いざ壱岐へ!

当日の朝。天気は曇り。博多港からジェットフォイルに乗り、壱岐の郷ノ浦港を目指す。

約1時間で壱岐の郷ノ浦港へ到着。そんなに揺れることもなく、うとうと居眠りしていたら着きました。

[博多港から壱岐へ出港するジェットフォイル]

上村真珠さんの真珠養殖場へ!

早速、養殖場へ向かう。天気が晴れてきて暑くなってきました。
まず、上村真珠の上村社長からご挨拶がありました。
<以下要約>

真珠作りは、母貝作り、真珠養殖、製品加工の工程で製品になる。
真珠の会社は、一般的に母貝作り、真珠養殖、製品加工が分業制になっているなか、上村真珠は母貝作りから製品加工まで一貫しておこなっているのが特徴。壱岐の自然環境に合わせた母貝を作ることにより、「巻きの厚い美しい真珠」を作ることに成功している。また、真珠を養殖している半城湾(はんせいわん)は真珠養殖のためだけに使われている。

上村社長のお話をお聞きして、壱岐の養殖場は美しい真珠を養殖するには最高の環境だなと思いました。

  • 上村真珠さんの養殖場全景。真ん中が壱岐事務所。周りは半城湾(はんせいわん)

  • 壱岐の養殖場。空気が美味しいです!

真珠養殖の流れって?

  • 養殖場視察レポの前に、真珠養殖の流れについてまとめてました。

     

    [真珠養殖(ワカナ真珠の場合)]

     ①母貝作り(約2年間)
     ↓
     ②真珠の核入れ作業
     ↓
     ③真珠養殖(約2年間)
     ↓
     ④浜揚げ

     

    真珠ができるまでに、トータル約4年もかかることになります。

     

    また、アコヤ真珠には「当年もの」と「越しもの」があります。

    「当年もの」は約10ヶ月の養殖期間で浜揚げされるのに対し、「越しもの」は、プラス1年の約2年間の養殖期間を経て浜揚げされます。

     

    ワカナ真珠は「越しもの」を使用。「越しもの」は、巻きが厚い真珠ですが、育てるのに非常に手間がかかり、珠が変形するリスクも高い。


    上村真珠さんは「真珠の巻きの厚さ」にこだわって真珠作りをしています。


    「真珠の巻きの厚さ」が真珠のテリ(輝き)に影響するからです。

真珠養殖場の視察スタート!

まずは、研究施設から視察スタート。アコヤ貝の稚貝のエサを培養する施設です。

  • エサを培養するフラスコ群。フラスコの中にプランクトンなどの餌が培養されています。フラスコのフォルムといい、さまざまな色といいアートな雰囲気です!

  • 交配した稚貝を約1ヶ月間育てる水槽。稚貝は何ミクロンの単位。目に見えない大きさです。ここである程度の大きさにして海に出します。この時期は海に出してしまって、水槽はカラでした。

    研究施設から場所を移動し、海に出した稚貝を選別作業する場所へ。

  • この大きなバケツの中にいる稚貝たちふるいにかけて、一定の大きさのものを選別。

  • 稚貝たち。これが大きくなって母貝になります。

  • 指先ぐらいの大きさの稚貝。カワイイです!

重要な核入れ作業!

2年間かけて大きくなった母貝にいよいよ真珠の核入れ作業を行います。
真珠の核入れ作業とは、育てた母貝に、核と細胞片(ピース)を入れるとても重要な作業です。この作業をすることにより、真珠が作られるのです!

  • 核入れ前の母貝。前準備として口を開けた状態にしておく。

  • 核入れ作業前の外套膜の細胞片(ピース)を作る作業。1mm程度にする細かく根気のいる作業です。

  • 核入れ作業の様子。これまた細かく根気のいる作業。メスで切って、核とピースを中に入れる。ピースを入れないと真珠が巻かないのです!

筆者、核入れ作業にトライ!

筆者も核入れ作業体験!

 [左手に器具を持ち、貝の中をホールドして、右手にてメスを入れて、そのあと、核とピースを入れる作業。難しいきちんと核入れしないと、変形したり巻かなかったり、綺麗な真珠ができません。ちゃんとできてるかな?結果は2年後]

手術した貝たちは、傷が治るまでしばらく休ませます。そして、縦カゴに入れて沖だしします。

半城湾(はんせいわん)をクルーズ!

核入れの作業場より、場所を移動して、船で沖へ。風が気持ちよく、空気も美味しいです!!

  • 沖の様子。潮の流れに合わせて養殖エリアが設置されています。

  • 大自然の中で、ゆっくりと真珠が育まれていきます。

  • 中央:船にて貝掃除をする様子。

  • 貝には、藤壺や海藻が無着するため、定期的に船で水圧で掃除をしていきます。また、陸上に上げて手作業にて掃除します。

     

    こうして、約2年間。上村真珠のスタッフの皆様が日々手間をかけて真珠を育てています。そして、貝が浜揚げされ真珠がとれるというわけです。

【真珠養殖場の視察を終えて】

上村真珠さんの視察を終えた感想。

 店頭に並んでいるワカナ真珠は、壱岐の空気が綺麗で雄大な自然のもとで育まれてできたことを実感!

 また、上村真珠さんの皆様方が、美しい真珠を手間と根気をかけて育てているのを目で見て、真珠作りの真摯な姿勢に胸を打たれました!

 ワカナ真珠のトレーサビリティ(その製品がいつ、どこで、だれによって作られたのかを明らかにすること)はお分かりいただけたかなと思っております。
 

<おわり>

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